コンタクトレンズについて
当院ではジョンソン&ジョンソン、ボシュロム、アルコン、シード、ロート、クーパーといった信頼のおける国内外の有名メーカーで非常に多くの種類のコンタクトレンズを取り揃えております。
現在のコンタクトレンズの主流は完全に使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズですが、その人その人に最適なレンズを合わせる為にはどうしても多くの種類が必要となるからです。
検査について
当院では国家資格である視能訓練士を初めとしたベテランスタッフがコンタクトレンズを適切に合わせます。さらに医師自身が検影法と呼ばれる検査で、コンタクトレンズの度数がその方に適しているかを再度確認いたします。
機械で自動的に測定された度数をそのままコンタクトレンズに当てはめてしまうと、過矯正といって強すぎる度数を処方してしまうのを防ぐための検査です。
インターネットや量販店でもコンタクトレンズを買える中、せっかく当院を選んで頂いてコンタクトレンズを作成してくれる方の眼を守るため、国の定めるコンタクトレンズ検査料には含まれていない角膜内皮細胞数測定や眼底検査を定期的に行っています。
角膜内皮細胞はコンタクトレンズの長時間装用や不適切な使用等により減少し、再生しないので減り過ぎると角膜混濁を生じるのでコンタクトレンズが使用できなくなる為です。
眼底検査は完全なサービスですが近視の強い方は緑内障になりやすい傾向があるため行ってチェックしています。実際に緑内障や眼底疾患の方を何人も見つけて早期発見、早期治療に繋がっています。
レンズの種類のよる向き不向き
●1日使い捨てタイプのソフトコンタクト
〈メリット〉
- 酸素透過性の高い1dayタイプのコンタクトレンズが最も目に優しいレンズです
- 酸素透過性の高いタイプなら長時間装用も可能
- コンタクトレンズのケアが不要
- 毎日新しいので清潔で安全、装用感も良い
- アレルギー性結膜炎の方にも最適
- 毎日は使用しないが時々使いたい方にも
〈デメリット〉
- 他と比べると高価
●2週〜1ヶ月使い捨てタイプのソフトコンタクト
〈メリット〉
- 比較的安価で最も出回っているタイプ
- 酸素透過性の高いタイプならある程度長時間の装用も可能
- 種類が豊富なので様々な近視遠視の度数の幅や乱視度数や傾きに対応可能
〈デメリット〉
- ケアが不適切だと角膜感染症の危険性が高い
- アレルギー性結膜炎が悪化しやすい
- どうしても落ちない汚れが付着するため、日に日に装用感が悪くなる場合もある
ソフトコンタクトレンズのケア用品にはこすり洗いを必要とするタイプと消毒液に決められた時間漬けておくタイプがありますが、当院では消毒液タイプをおすすめしております。
理由として、こすり洗いタイプは面倒で中々ちゃんとこすり洗いできる方が少ない事(メーカー推奨はレンズの裏表20回こする事!)と、消毒効果が弱いのでケース内に雑菌が繁殖する可能性もあるためです。
またアレルギーの原因となるスギ花粉に関しては、こすっても落ちないのでスギ花粉症の方にもおすすめできません。
●従来型(1~2年間使用)のソフトコンタクトレンズ
当院では原則として処方しておりません。
理由としては酸素透過性が低過ぎて眼にかかる負担が大き過ぎる事と、以前のような煮沸消毒ができないため、感染リスクが高いからです。
もし、今現在このタイプをお使いでしたら是非とも他のタイプへの変更をおすすめいたします。
●カラーコンタクトレンズ サークルレンズ
〈メリット〉
- オシャレ
〈デメリット〉
- 酸素透過性が低い物がほとんどなので眼の負担が大きい
- 乱視用や度数の幅があまり無い
- 粗悪な物には角膜側にインクがプリントされている物が多く、キズがついたり角膜感染症を生じる事も
当院としては、カラーコンタクトレンズもサークルレンズも眼の負担が多いのであまり推奨は致しません。とはいえ、どれを選べば良いのか判らずに粗悪品を使用して酷い目に合われる方も多いですし、特に女性にとってはオシャレも大事。比較的に安全な製品をご紹介するのも眼科医の務めと考えておりますので、短時間装用を心がけて頂ければ問題無くご使用いただけます。
まだ少ない種類ではありますが酸素透過性の高いカラーレンズもありますので当院としてはこちらをおすすめしております。
●ハードコンタクトレンズ
〈メリット〉
- 乱視の矯正効果が高いため見え方が良い
- 円錐角膜や不正乱視の治療目的にも使用
- 上手に手入れすれば最も安価
- 近年、使い捨てタイプのハードコンタクトレンズも登場している
〈デメリット〉
- 装用感が悪い(特に初めてつける場合)
- 紛失したり割ったりすると費用が高い
- 充血しやすい、充血がとれない
- マブタが下がりやすい(眼瞼下垂)
充血と眼瞼下垂に関してはハードコンタクトレンズ特有の問題で長期間使用者にはかなりの頻度で認められます。コンタクトを新調してもあまり改善する事が無いので、どうしても気になる方にはソフトコンタクトレンズへの変更をおすすめしております。
充血は1週間位で改善しますし、眼瞼下垂も半年位かけて徐々に改善してくる事が多いようです。
半年待っても眼瞼下垂が改善しない場合は、20分程度の手術(保険適応)でリフトアップ可能です。
●遠近両用レンズ
〈メリット〉
- 老眼になっても遠くも近くもある程度見やすい。
- ソフトもハードもある。
〈デメリット〉
- 遠用に合わせた度数を半分くらい削って近用に振り分けているのでその分だけ遠方は見にくくなる。特に夜間に見づらくなる事が多いので注意が必要。
これは多くの遠近両用レンズは中央部の度数を遠用・近用・遠用というように同心円状に振り分ける事で遠くも近くも見えるように工夫されているためです。
- コンタクトレンズを合わせるのに時間と手間がかかり、何度も処方を変更しなければならない場合がありる。
- 何度試しても合わない方も少なくない。
老眼対策としてはこの他に右眼と左眼で見える範囲を変えるモノビジョン法があります。わたくし当院院長は10年以上前からこの方法を自ら実践しております。